職人の伝統の技と心が息づく

心と技の継承を目指す

船箪笥には、いくつかの種類があることをご存知でしょうか。懸硯(かけすずり)・帳箱(ちょうばこ)・半櫃(はんがい)・知工箪笥(ちくだんす)などがあり、それぞれ用途や必要性に合わせて生まれたものです。

中でも帳箱は、その様式が種々様々。船箪笥の「日本三大産地」は山形の酒田、佐渡の小木、越前の三国ですが、もちろん他の地方でも製作されていました。地方によって木地組、木地の形状、塗り、装飾金具の形に違いがあり、同じように作られたものは見当たりません。それぞれの工程全てに細やかな技術が要求され、精巧さや質感、漆塗りには職人の高度な伝統の技と心が息づいています。

 

 

 

「用の美」を備える船箪笥

北前船用の特殊な家具を総称し「船箪笥」と呼んだのも、そこに「用の美」を見出したのも、民芸運動の先駆者・柳宗悦でした。宗悦は、「世界中のどんな家具を引き合いに出されようと断じて恐れることはない。日本には船箪笥がある」と、その剛健さを絶賛しました。

船箪笥には、日本人だからこそ感じ取ることができる「日本の美」があり、やすらぎをもたらしてくれます。これからも日本の風土に根付いた伝統を多くの方々にご理解いただき、“本物の価値”に直に触れていただきたいです。百余年の時空を超え、北前船が残した先人達の職人技と知恵。それらを継承し、強さと美しさを兼ね備えた、『機能美』と呼ぶにふさわしい船箪笥の魅力をご紹介していきます。

 

 

 

 

 

 

 

電話をかける